経営業務の管理責任者とは
1.経営業務の管理責任者がいること
経営業務の管理責任者とは、営業取引上、対外的に責任を有する地位にある者で、建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者をいいます。
営業取引上、対外的に責任を有する地位にある者とは、法人の役員、個人の事業主又は支配人(登記されている場合)あるいは政令第3条使用人をいい、監査役、監事、合資会社の有限責任社員、事務局長などは含まれません。
また、建設業の経営業務について総合的に管理した経験には単なる連絡所の長、工事の施工に関する事務所の長のような経験は該当しません。
建設業の経営業務について総合的に管理した経験年数が経営業務の管理責任者の要件となっています。(法第7条第1号)
経営業務の管理責任者の設置は許可要件であるため、例えば、許可を取得した後に経営業務の管理責任者が退職し、後任が不在となった場合は欠格要件となり許可の取消し(法第29条第1項第1号)となります。
このため、このような不在期間が生じないよう、あらかじめ要件を満たすものを選任するなど、事前に準備しておくことが必要です。
経営業務の管理責任者の要件
経験・地位 | 許可を取得するための 経営業務経験年数 | 備 考 | ||
---|---|---|---|---|
当該業種 | 当該業種以外 | |||
法人 | 常勤の役員のうちの1人 及び政令第3条使用人 (経営業務を総合的に管理した経験) 常勤の役員とは、原則として本社(本店)などで、休日そのほか勤務を要しない日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者をいいます | 5年以上 | 6年以上 | 役員: ①株式会社の取締役・執行役(委員会設置会社) ②特定有限会社の取締役、合名会社の無限責任社員、合資会社の無限責任社員 ③事業協同組合・協業組合の理事など 政令第3条使用人: 営業所を設置している建設業者において一定の権限を委任された支店長・営業所長など |
執行役員 (役員に次ぐ職制上の地位で経営業務を総合的に管理した経験) | 5年以上 | --- | 執行役員: ①取締役会設置会社であること ②取締役会又は代表取締役から執行役員等として具体的な権限委譲がされていて、取締役会で選任されていることが議事録で確認できること ③執行役員規定などがあること | |
役員に次ぐ者 (経営業務を補佐した経験) | 6年以上 | --- | 建設と直接関係のある業務を担当する部署の長で営業部長、建設部長など | |
個人 | 事業主又は支配人のいずれか (経営業務を総合的に管理した経験) | 5年以上 | 6年以上 | 支配人: 商業登記法上の支配人登記がされている者 |
配偶者・子 (本人に次ぐ地位で経営業務を補佐した経験) | 6年以上 | --- | 事業主の死亡などによって、実質的に廃業とされるのを救済する場合に限って適用 | |
国土交通大臣が上記に掲げる者と同等以上の能力を有するとして認定した者 | 海外で建設業の経験を有する者を経営業務の管理責任者にする場合、大臣の認定が必要 |
許可を取得するための経営業務経験の考え方
- 当該業種について5年以上の経営経験という場合は、当該業種について、法人の役員だけでなく、個人の事業主・支配人、令3条使用人の経験を通算して満たしていれば認められます。
- 当該業種以外の業種について6年以上の経営経験という場合は、当該業種以外の業種について、法人、個人の経験の通算でもよく、また、単一の業種だけでなく、複数の業種の経験を通算して満たしていれば認められます。
- 執行役員として当該業種について5年以上の管理経験という場合は、当該業種について、管理した経験と法人の役員等としての経営経験を通算して満たしていれば認められます。
- 次ぐ地位にあって当該業種について6年以上の経営業務の補佐経験という場合は、当該業種について、法人、個人の補佐経験の通算でもよく、また、その補佐経験と複数の業種の経営業務の管理責任者としての経験を通算して満たしていれば認められます。
- 複数の業種の許可を申請する場合、業種ごとに経営業務の管理責任者を置かなければなりませんが、経営業務の管理責任者として6年以上の経験を有している者が一人でもいる場合は、その者を申請する全ての業種の経営業務の管理責任者とすることができます。
- 「経営業務の管理責任者」と営業所ごとに置く「専任技術者」の双方の要件を満たしている者は、同一営業所内では兼任することができます。
経営業務管理責任者の大臣認定要件の明確化について(国土交通省)
専任技術者はこちら
- 経営業務の管理責任者は法人の場合常勤の役員等に限られていますが、それは主たる営業所に常勤し、日常の経営業務を具体的に執行している役員等でなければ、建設業の適正な経営が行われることが期待できないからです。
- したがって、他社の代表取締役や地方自治体の議員は、常勤性の観点から経営業務の管理責任者にはなれないとされています。
- また、他の法令により専任性を要することとされている者(建築士事務所の管理建築士、宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引主任者など)との兼任も、同一法人で、同一営業所である場合を除き、常勤性の観点から認められません。
経営業務の管理責任者の確認資料等
経営業務の管理責任者の経験と常勤性を確認する資料は、ケースによってそれぞれ異なりますので、事前に申請窓口に相談することをお勧めします。
確認資料の問い合わせ先・送付先
知事 許可 | 福島県の場合は主たる営業所の所在する市町村を管轄する建設事務所が窓口となります 福島県知事許可はこちら |
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大臣 許可 | 〒980-8602 宮城県仙台市青葉区二日町9-15 東北地方整備局 建政部 計画・建設産業課 建設業係 電話 022-225-2171(内線6145・6147) 全国の整備局等はこちら |
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